高木仁三郎市民科学基金 助成研究の概要 (2007-08年度実施分) |
氏名:徳 恵利子さん 研究テーマ:国際協力の現場におけるリーダーシップトレーニングの 設計とその効果
助成金額:30万円−東ティモールにおけるケーススタディ― 研究の概要:2007年12月の助成申込書から 途中経過:2008年 9月の中間報告から |
研究の概要 : 2007年12月の助成申込書から |
開発が「人間」の潜在力を最大限に引き出し、それによって生活の向上と自立、選択の自由を促進するプロセスであると定義されて20余年が経つ。しかしながら、未だ世界には様々な要因で自らの潜在力を発揮する機会を奪われた人びとが多く存在するのが現状である。 15世紀から1999年まで、ポルトガル、日本、インドネシアの支配下におかれ2002年に主権を回復した東ティモールもその一つだろう。 本研究は東ティモールの人びとが社会的・政治的・経済的なプロセスに参加し自らコントロールする力を取り戻すプロセス(エンパワーメント)を促進する現地リーダーシップの育成を目的とし、東ティモールの民主的な風土醸成の一助となることを目指すものである。 本研究では、先行研究等レビューから 1.リーダーシップの育成が
2.ニーズ調査で収集したデータを基に、東ティモールに適したオルタナティブなリーダーシップ育成プログラムを設計 3.トレーニングプログラムの実施 4.トレーニングがコミュニティの人びとのエンパワーメント促進にどのような効果をもたらしたかを測定し、 さらに、他地域への応用可能性と提言を付け加える。
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途中経過:2008年9月の中間報告から |
2008年2月に実施予定だった東ティモールにおけるトレーニングを、現地の 情勢のために5月に延期した。 5月のトレーニングには、現地のコミュニティリーダーとして活動している 25名の参加があった。25名はそれぞれ地域のヘルスワーカー、ユースグループ のリーダーやコーヒー生産者組合のリーダーであり、日ごろの活動を共にして いる数名のリーダーたちがチームとして参加した。 トレーニングでは、一人のリーダーがカリスマを発揮して皆をひっぱってい くリーダーシップではなく、リーダー一人ひとりの個性やカリスマを認識し、 認め合いながら、チームとして活動していくことを体験の中から学ぶことを目 指した。 トレーニング後に現地から、トレーニングに参加したリーダーが「メンバー と目的を共有するための働きかけをしていた」こと、「字の読めない女性の意 見を聞くための働きかけ」が見られたとの報告が届いてる。リーダーたちのそ のような行動とトレーニングとの因果関係まではまだ分析に至っていないが、 まと待った報告が現地から届いたあと、トレーニングがリーダーたちに及ぼし た影響についての見解をまとめていく。 トレーニング後の観察については、東ティモールのパートナー団体(現地で 活動するNGO)との協力のもとですすめている。しかしながら、この時期が現 地での業務繁忙期ということもあり、スケジュールどおり(9月で終了)にはすす んでいない。現地からは、10月末にはデータを送ってもらえるとの連絡があった ので、研究全体のスケジュールには問題ないものと思われる。 |
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