高木仁三郎市民科学基金 助成研究の概要 (2004年度実施分) |
グループ名:長島の自然を守る会 代表者氏名:高島 美登里さん 研究テーマ:上関原発予定地長島の自然環境
・生態系の調査・解明と保護・保全方法の
助成金額:110万円確立に向けての実践的試行と検証 研究の概要:2003年12月の助成申込書から 研究の成果:2005年4月の完了報告から <参考> 助成先のウェブサイト:http://www2.ocn.ne.jp/~haguman/nagasima.htm これまでの助成研究:2002年度実施分 その後の助成研究:2005年度実施分・2006年度実施分 |
研究の概要 : 2003年12月の助成申込書から | ||||
【背景】 長島は1960年代以降の人工的改変により失われた瀬戸内海の原風景を残しているが、上関原発建設計画により、豊かな自然環境が存亡の危機にある。上関原発の環境アセスは既に実施されたが、希少生物の存在などが無視されたままで、生態学会中国四国地区会などとともにアセスのやり直しを迫っている。原発予定地の用地取得に関しても、地元の共有地と神社用地の取得をめぐって係争中で、過去の入会いの実態が争点となっている。また、中国電力は、原発建設 安全審査に必要な詳細調査を実施する構えだが、この調査自体(大量のボーリングなど)が、海域・陸域の環境に大きなダメージが及ぼすものである。 (2005年4月から詳細調査は強行されてしまった。) 【経過・成果】 高木基金の助成は、2001年度に続き2回目。引き続き、長島の生態系や希少生物の調査を進めているが、 2004年の調査でも、希少な魚類(ミミズハゼ)や軟体動物(ヤシマイシン近似種)などの生息が確認された。また共有地裁判の争点となっている、過去の入会いの実態を証明するため、植生や利用痕跡の調査を実施し、裁判の証拠書類として提出した。詳細調査による影響を確認するために、詳細調査開始前の海域の透明度の調査を行った。 【今後の展望】 長島の自然環境・生態系を保護するには、上関原発計画を中止させることが必須であり、そのためには、幅広い世論の高まりが必要である。自然の教室の開催・ビデオやガイドブックの作成・エコツアーの受け入れなどの手段を通じ、成果を広く一般市民・研究者に知らせ、自然保護と上関原発計画中止を運動の両輪として理解して拡げることで、原発に頼らず、自然と共生する町作りを具体化し、上関町が直面している過疎問題解決の具体的展望が見えるようにする。 | ||||
研究の成果:2005年4月の完了報告から | ||||
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