高木基金について助成応募の方法これまでの助成研究・研修高木基金の取り組みご支援のお願い

これまでの助成研究・研修

トップページ  > これまでの助成研究・研修 > 助成事例の詳細


鞆(とも)港埋立て架橋阻止に要する「亀の甲(亀甲状石積み)」の調査



グループ名 鞆まちづくり工房
代表者氏名 松居 秀子 さん
URL http://www.vesta.dti.ne.jp/~npo-tomo/top/iroha/index.html
助成金額 20万円

研究の概要

2007年12月の助成申込書から
 万葉の昔から瀬戸内の名津としての鞆ノ津は万葉集に8首を歌われ近世の港が持った舟番所・焚場(たでば)・雁木(がんぎ)・常夜燈・波止(4本)を当時の姿のままに残します。この港に交通緩和の為のバイパスとして埋立て橋を架ける計画が25年前から進められ、賛否があるなか事業主体の広島県は埋立て願書を出しました(2007年5月)。しかし県や市の教育委員会はこれ程の近世港湾施設が残るもののこれまで調査を一切行っておらず、焚場(たでば)の一部を調査したに過ぎません。私たちは大学との10年余りにわたる共同調査により雁木(がんぎ)・波止・常夜燈・焚場(たでば)を調べています。そして最後のテーマが焚場の一部であろうこの「亀の甲」になり、特にこの度の調査は亀の甲が計画される道路に立ちはだかるように位置することからこの亀の甲の構造・用途を解明することが埋立て架橋を阻止できるという考え方に基づきます。調査報告書を支援を仰げそうな諸団体に送りましたところ橋口定志氏(日本考古学協会理事)による視察を受けることが出来、橋口氏は「良くこれだけのものが残っていた」との言葉を思わず漏らします。この言葉を得て私たちの報告書は間違っておらず強く「鞆港埋立て架橋」の無謀さを訴えるものです。

中間報告


結果・成果

完了報告から
当初は亀の甲が岩盤露頭部からなるものか否かを非破壊調査で調べる予定でしたが、見積もりが高額であったことから計画を亀の甲の用途解明に修正しています。  万葉の昔から瀬戸内の名津としての鞆ノ津は万葉集に8首を歌われ近世の港が持った舟番所・焚場(たでば)・雁木(がんぎ)・常夜燈・波止(4本)を当時の姿のまま残します。この港に交通緩和の為のバイパスとして埋立て橋を架ける計画が25年前から進められ、賛否があるなか事業主体の広島県は埋立て願書を出しました(2007年5月)。提訴を含め守るために考え得る手法は全て取り込んでおり、この度の調査は亀の甲が計画される道路に立ちはだかるように位置することからこの亀の甲の構造・用途を解明することが埋立て架橋を阻止することができるという考え方に基づきます。国内の考古学者に支援を求めるべくこれ迄の調査結果をまとめて20団体に送りましたところ橋口定志氏(日本考古学協会理事)から連絡があり現地視察(3月21日)を行っています。予測した通り築造年代は江戸であり「良くこれだけのものが残っていた」との言葉を漏らします。用途を探るため同じ江戸期の築造である須波波止(5月20日)、蓬莱船渠(11月30日・12月16日)、眞鍋島のスベリ(12月9日)を調査し、「亀の甲の扱いについて」、「亀の甲の目的について(推測)その1」、「同(推測)その2」の3本の報告書をまとめ先の考古学協会に届けています。2009年2月13日の朝の新聞は日本考古学協会が国交省ほか関係各方面に保存の要望書を出したことを伝えており、これら3本の報告書が効いておれば要望書の文面には亀の甲の文字が躍る筈であり、届いたメールに添えられた要望書の文面には舟番所・焚場・雁木・常夜燈・波止の5点以外に亀の甲と明記され漸く専門家の目に留まったことが判ります。そして3本の報告書をデジタルデータで送って頂ければ学術雑誌への掲載を考えるとあり、多くの考古学者の目に触れ県教委の調査が果たして専門的なものであったかが問われようとしています。

その他/備考


HOME助成応募の方法これまでの助成研究・研修高木基金の取り組みご支援のお願い高木基金について
ENGLISHサイトマップお問い合わせ 個人情報の取り扱い