駒ヶ根の環境を守る会 |
研究成果発表会配布資料[pdf] |
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岸 真結子 さん | ||
http://ameblo.jp/kmgnkankyo/ | ||
40万円 |
処分場の予定地
一般向けリーフレット「天竜川のそばに放射能汚染されたゴミが持ち込まれたら!?」の一部
地方自治体議員との意見交換会の様子(2017年3月12日)
浜松での学習会の様子(2017年3月29日)
高木基金「市民科学 研究成果発表会 2017」での発表の様子(岸真結子さん)
2014年12月の助成申込書から
天竜川上流に位置する宮田村と駒ヶ根市の境界に、民間企業により放射能汚染された廃棄物を含む最終処分場建設計画があります。周辺住民は、予定地には強い地下水が流れ込み処分場として適していないこと、施設の安全性への不安、放射能汚染されていない地域への放射性廃棄物の拡散等の問題を長野県に訴えていますが、県が地域社会への影響の大きさを十分理解し住民の声を真摯に受け止めているかは疑問があります。
天竜川流域には50〜60万人が生活していると言われます。流域の環境社会にどれほどの影響が及ぶ可能性があるのかを知るため、聞き取り調査を中心とした本調査研究を通じて流域土地利用や水利用の実態、そして様々なステークホルダーの意見を調査することで具体的な影響可能性や懸念を明らかにします。
調査結果は県に事業の審査の検討材料のひとつにしてもうらように提出します。また、調査過程を通じて事業計画の存在を知らないステークホルダーにも情報を拡散することができます。また、結果はメディアにも住民にも広く公開され、流域保全の重要性の認識が高まり、運動の強化拡大に貢献できます。
2016年10月の中間報告から
天竜川上流に位置する長野県宮田村に、民間企業により、放射能汚染された廃棄物を含む廃棄物の最終処分場建設が計画されています。予定地に地下水が流れ込み廃棄物処分場として適していないこと、施設の安全性の問題、放射能汚染されていない地域への放射性物質の拡散等の問題が指摘されています。
本調査研究では、当該事業が天竜川流域に暮らす50〜60万人の人々や流域環境に及ぼす影響可能性を知るため、文献調査および聞き取り調査を実施しています。流域の土地利用や水利用の実態、そして様々なステークホルダーの意見を調査することで具体的な影響の可能性や懸念を明らかにしていきます。調査結果は事業を審査する長野県に提出します。また、結果を聞き取り対象者の流域ステークホルダーや、メディアにも広く公開することで、流域保全の重要性の認識を高め、運動の強化拡大を目指しています。
上半期は、天竜川の水利用や土地利用について文献調査を実施し、市民にわかりやすい展示物にまとめました。また、聞き取り対象とすべき重要なステークホルダーについての情報収集を行いました。その後、まず近隣市町村にて勉強会を開催しつつ、流域ステークホルダーの意見の聞き取りを行っています。今後は下流域を中心に聞き取り調査を進めていきます。
完了報告・研究成果発表会資料より
長野県宮田村の天竜川と太田切川が合流する氾濫原に、8000Bq/kg 以下の放射能汚染された廃棄物を含む、一般廃棄物・産業廃棄物の最終処分場建設計画があります。周辺は地下水が豊富であり、処分場として適さないという立地の問題と、放射性物質の拡散の問題から、地元住民だけでなく全国から10万人を超える反対署名が集まっています。しかし、計画は撤回されることなく、処分場の認可を行う長野県も問題を十分理解しているのか疑問があります。
本調査研究では、具体的な影響の可能性や懸念を明らかにするため、天竜川流域の利用実態についての文献調査を行うとともに、様々な関係者・関係機関への聞き取り調査を行いました。調査を通じ、流域関係者や住民と情報を共有することができ、意見交換を行うことができました。浜松を含む下流域では、事業計画自体も十分に知られておらず、調査を通じて関心層を増やすこともできました。調査結果は流域自治体の地方議員と共有し、「放射性廃棄物を拡散させないことを求める」陳情・請願活動に発展し、9つの自治体(辰野町、箕輪町、南箕輪村、伊那市、宮田村、駒ケ根市、中川村、高森町、豊丘村)から国への意見書が出されました。
今後は、天竜川流域自治体の議員や住民が、放射性廃棄物の拡散問題について基礎から専門的な知識までを学び、その上で流域保全の中でどのように対応すべきかを議論する場を設けていきます。また、流域でより多くの市民に問題を知ってもらうために、本調査結果をわかりやすく発信していきます。