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日の出町処分場の放射能汚染焼却灰による環境影響調査



グループ名 たまあじさいの会 研究成果発表会配布資料[pdf]
研究成果発表会配布資料[pdf]
代表者氏名 濱田 光一 さん
URL http://tamaajisai.net/
助成金額 40万円

エコセメント工場の全景

2012年3月の植物調査

2012年5月の見学会

研究の概要

2011年12月の助成申込書から
 日の出町谷戸沢・二ツ塚ゴミ最終処分場は東京都多摩地区400万人の排出する一般ゴミの最終処分場としてゴミ焼却灰や不燃物が25年にわたり埋め立てられてきました。  また、2006年より、都内に最終処分場の新たな用地確保が困難となり、処分場延命策としてゴミ焼却灰をセメントの原料とする事業が始まっています。  2011.3.11東北地方の大震災と福島原発事故により、日の出町ゴミ最終処分場は新たに極めて困難な状況に陥れられました。  多摩地区に3.11以降降下した放射能物質の付着したゴミの焼却灰が持ち込まれ、セメント化されたり埋め立てられたりしています。  日の出町処分場に搬入される放射性物質汚染のゴミ焼却灰は8000ベクレル/kgまで可能としていますが、その総量は膨大な量となります。  持ち込まれた放射性物質は、処分場やエコセメント工場で大気、下水、セメント製品に移行していく以外に減量消失することはありえません。  わたしたちは、処分場及びエコセメント工場が放射性物質による汚染の発生源になりうると仮説をたて周辺地域の放射線量の測定に継続的に取り組み実証するための調査を2011年9月より開始しています。その中で、処分場直近の地上5cmでγ線で0.54μSv/hとこの地域にしては異常に高い数値も計測されています。  一定の期間計測調査を行い、仮説が実証されたならば公表公開、関係機関への申し出などに取り組む予定です。  この国は、市民自らで調査検証、行動することでしか自らの命と健康・環境を守れないという悲しむべき社会になっていることが3.11で明白になってしまいました。

中間報告

2012年10月の中間報告から
 2011年3月の福島原発事故による放射能汚染が福島をはじめ、東日本のみでなく広範囲に広がり、人々の生活・健康・命を脅かしています。東京都多摩地区も汚染が始まり、汚染された廃棄物の焼却灰が日の出町処分場及びエコセメント工場で集中処理されています。  また、2012年6月以降は、被災地の瓦礫焼却処理を多摩地区の7焼却炉で引き受け順次放射能汚染された瓦礫の焼却処理が始まり、焼却灰の搬入処理も始まっています。  エコセメント工場では年間310日、約300t/日の焼却灰が搬入され、ゴミ焼却灰がセメント化されています。その工程で排ガスから有害物質を除去する装置としてバグフィルターが取り付けられています。循環組合や被災瓦礫を受け入れている各地の自治体は、放射性物質はバグフィルターで99.9%除去できるとしていますが、結論ありきの神話と言えます。住民による物質収支の計算では、60%前後であるという数値もあり、限界があります。  このことから、各地の焼却炉、エコセメント工場の焼成炉からは累積的にはかなりの放射性物質が大気を通して周辺に排出され、土壌に沈着されていることが推定できます。  エコセメント工場に搬入されているゴミ焼却灰に含まれるセシウムの計測値が毎月公表され、数値にばらつきはありますが数百から3,000Bq/kgと基準値内で安全であるとされています。しかし、その周辺で生活するものとしては、その累積数値に汚染の脅威を感じます。  大気や水は瞬間的な濃度主義で問題ないとするのでなく、総量や累積を捉え、そこで生活する住民への汚染の影響を予防することを願い訴えながら活動に取り組んでいます。

結果・成果

完了報告・研究成果発表会資料より
 福島原発事故以来、東京都多摩地区でも放射能汚染のゴミ焼却灰が発生し、日の出町最終処分場に300t/日持ち込まれ、エコセメント化されています。私達はこの施設からの放射能による二次汚染を想定し、影響調査を始めました。エコセメント工場周辺の、空間放射線量と土壌中のセシウム濃度の継続的測定を行い、二次汚染の発生源としての工場の実態を、測定データから特定することに取り組んでいます。  また、測定活動をもとにエコセメント工場からの、周辺地域への放射能汚染の影響や、公共下水を通しての多摩川の汚染など、調査の成果を地域住民に公表・発表したり、関係機関へ働きかけたり、裁判で訴える資料作りなどの活動を行っています。  2012年度は毎月10日前後に、エコセメント工場周辺11地点の放射線量測定を行った他、以下のような活動を行っています。 2012年 4月30日〜7月11日 エコセメント工場からの排気物質を雨水採取で測定     6・7・9月 周辺土壌のセシウム濃度測定、核種の分析など    11月 第6回市民一斉水質調査(化学物質の分析依頼)    12月 第30回市民環境問題講演会(講師:安田節子さん) 2013年 2月 処分場周辺土壌採取(重金属分析依頼)     3月 第31回市民環境問題講演会(講師:梶山正三さん)   なお、エコセメント工場からの放射能二次汚染の実態は、東京高裁で係争中の裁判資料として活用(6〜7月の法廷で控訴人陳述としてパワーポイントで公開)しました。  また、市民放射能監視センター「ちくりん舎」の立ち上げに参加しました。

その他/備考


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