せとうち市民放射能測定所 |
研究成果発表会配布資料[pdf] 研究成果発表会配布資料[pdf] |
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大塚 尚幹 さん | ||
http://setouchilab.jimdo.com/ | ||
30万円 |
電源を搭載し、どこでも測定可能
車載の様子
福島県川内村で2013 年4月8日に採ったもの
2011年12月の助成申込書から
原発震災後、岡山県に避難してきた人は500名を超えるといわれていますが、その岡山にも、食品や瓦礫その他を通じて、放射能が広がっている可能性があります。
しかし岡山でも、行政による放射能測定は一般市民の要望に充分に応えるものではなく、子どもを持つ親たちの給食等への不安も解消されていません。
こういう状況の中で、わたしたちは、市民が食品や水、土壌などの放射能を自ら測定し、食べ物やライフスタイルを選択できるようにする必要性を痛感し、岡山でも市民放射能測定所を開設することにしました。
当測定所は以下のような活動を行います。
1. 市民の寄付金により放射能測定器を購入し、自動車に載せて、岡山県を初め全国どこでも放射能を調べに行く(測定所の通称「放射能どこでも調べ隊」)。
2. 測定データを公表し、全国の食品汚染の実態把握の一助とする。
3. 一般市民から放射能測定員を養成し、広報や研修を通じて市民の放射能や食への意識を高める。
2012年10月の中間報告から
西日本では放射能による食品汚染への関心が低い中、政府や行政に頼らず、市民が自ら放射能測定を行い、汚染の実態を把握できるようにすることが、この調査研究の狙いです。
食品の放射能の測定データをホームページに公表することで、食の安全性を確保し、あわせて風評被害を防ぎたいと考えています。
現行の食品の暫定基準値は100Bq/kgという高い値で、またそれ以下の数値が検出されても公表されないことがあります。これでは、市民の不安を取り除き、風評被害を防ぐことは困難です。これに対して当測定所では、検出限界値を10Bq/kgとし、またすべての検査結果を通知・公表しています。これによって、より正確な放射能データに基づいて、市民が自分で判断し選択することができ、さらには無用の風評被害を防ぐことが可能になります。
汚染していないと思っていた岡山でもセシウム137だけ出るということが何回かあり、福島原発由来ではないもの(戦後2千回以上の核実験や、チェルノブイリ原発事故によるものと思われる)が岡山にあるということがわかりました。
私たちは、移動測定所(放射能測定器(AT1320A)を自動車に積んで、各地での測定を行っている)の利点を生かし、岡山以外の地域に出張し、食品測定を行っていきます。
完了報告・研究成果発表会資料より
2012年3月11日、日本初の食品放射能測定車が岡山で始動しました。名づけて「せとうち市民放射能測定所放射能どこでも測り隊」。車に測定器(ATOMTEX社AT1320A)を積み、要望があればどこにでも出向いて測る。測定の電源は、車に積んだソーラーパネルとバッテリーです。
福島から遠く、安全と思われている岡山ですが、汚染された食べ物は全国に拡散し、岡山にも来ているかもしれません。それを自分たちの手でチェックし、子どもたちに安心できる食べ物を!という思いから、市民測定所は始まりました。
以後1年あまり、この車は、中四国で唯一の市民放射能測定所として、岡山を中心に広島、香川、高知、滋賀、富山などを走り回ってきました。その間、計324検体を測定し、うち7%、24検体にセシウム134、137の反応がありました。
岡山産で反応があったのは、紅茶(セシウム137:13.9±12.2Bq/kg)とイノシシ肉(セシウム137:4.29±3.47)のみ。他は米、小麦、野菜、果物、キノコ、魚介、乳製品に至るまで、反応は出ませんでした。
一方、福島県川内村は、汚染が比較的少なく「帰村宣言」が出された地域ですが、2013年4月8日に採ったものが非常に高い汚染値を示しました。
セシウム134は半減期が約2年と短いため、核実験やチェルノブイリ事故から年月が経つうちにほとんどなくなりますが、半減期約30年のセシウム137は長く残ります。この1年あまりの測定でも、137だけが測定された検体はかなりあり、福島事故前から日本が放射能に汚染されていたことを再確認しました。
現在は岡山、高松、福山市の数ヵ所で、月1回のペースで定期的に放射能の測定をしています。