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ビキニ事件の実相と福島原発被災との関連調査・研究



グループ名 高知県太平洋核実験被災支援センター 研究成果発表会配布資料[pdf]
研究成果発表会配布資料[pdf]
代表者氏名 山下 正寿 さん
URL
助成金額 50万円

山下正寿著『核の海の証言』(新日本出版社)

南海放送が山下さんらの調査を追った『放射能を浴びた[X 年後]』は2013年6月、第50回ギャラクシー賞報道活動部門の「大賞」を受賞しました

研究の概要

2011年12月の助成申込書から
 「ビキニ水爆実験による第五福竜丸以外のマグロ船と貨物船などの被災の実態と乗組員の健康状態追跡調査」にこれまで取り組んできた。次年度も、この取り組みを続け、福島原発被災の今後の健康対策に活かしたい。また、海洋汚染が長期化する中で、ビキニ事件のように汚染魚検査が打ち切られる可能性もあり、ビキニ事件の歴史的検証が改めて重要になっている。  ビキニ事件時に問題となった台湾や情報コントロールされた韓国での事件対応を追跡し、現在の福島原発事故をどのようにとらえているかの情報収集を行う。 これらの調査・研究とともに、ビキニ事件の再認識のため、DVD上映、学習・講演会開催、書籍の普及を同時に広げたい。そのために高知県太平洋核実験被災支援センター、平和資料館・草の家、安芸平和教育研究会、幡多高校生ゼミナールなど、研究協力者の協力を得て調査・研究とともに、ビキニ事件と福島原発被災を結ぶ学習活動にとりくみたい。  その上で、被災者に可能な支援策を民間と政府双方にわたって専門家の意見を集約し、提案する。

中間報告

2012年10月の中間報告から
 これまで、ビキニ水爆実験による第五福竜丸以外のマグロ船と貨物船などの被災の実態と乗組員の健康状態追跡調査に取り組んできました。今年度も、この取り組みを続け、ビキニ事件がなぜ矮小化されたかを解明することによって、福島原発被災の今後の対策や被災者の救済に活かしたいと考えています。具体的には以下のものが進行中です。 ●「 市民と科学者の内部被曝問題研究会」に参加し、放射線医療関係の専門家から資料提供とアドバイスを受ける。 ● 福島の漁業調査と「福島・高知」の学習交流活動の旅を実施する。 ● 韓国のヒバクシャ調査として釜山を訪問、釜山の高校生と、高知と福島の高校生がヒロシマ・ビキニ・フクシマのヒバクシャ問題と原発問題について共同調査をする。 ●「 放射線を浴びたX年後」(私たちの調査を追った南海放送のドキュメンタリーをもとに映画化したもの)の全国での上映会に協力する。 ● ビキニ事件と福島原発被災に関する本の出版・普及に取り組む。  福島原発事故による海洋汚染が長期化しながらも、未だに海洋汚染調査があいまいであり、今後、ビキニ事件のように汚染魚検査が打ち切られる可能性もあり、ビキニ事件の歴史的検証が改めて重要になっていると考えています。

結果・成果

完了報告・研究成果発表会資料より
 これまで、ビキニ水爆実験によって被災した、第五福竜丸以外のマグロ船や貨物船などの被災の実態と、その乗組員の健康状態の追跡調査に取り組んできました。現在は、ビキニ水爆実験の放射能雨や海洋汚染について、福島原発被災との比較研究をしています。また実験海域にいた漁船員の放射能内部被曝の健康影響実態を明らかにすることが、福島原発被災の人体への影響を予測し、対策を立てる上で参考になるのではないかと考えています。本年度も、この取り組みを続け、福島原発被災の今後の健康対策に活かしていきたいと思います。  またビキニ事件の実相を広く国民に知らせる活動が、福島原発被災救済の上でも重要で緊急な課題となっています。福島原発事故による海洋汚染が長期化する中で、ビキニ事件のように汚染魚検査が打ち切られる可能性もあり、ビキニ事件の歴史的検証が改めて重要になっています。こうしたことを、2012年9月に出版された『核の海の証言』(新日本出版社)や、同じく9 月に上映を開始したドキュメンタリー映画『放射能を浴びた[X年後]』等を通じて伝えて来ました。  ビキニ事件の調査研究は、事件の多様性からみて、多くの人々のネットワークを活かした協同の取り組みが必要です。そのためにも、被災者、研究者、支援者がともに参加する活動を重視し、「学び、調査し、表現する」活動に青年の参加を呼びかけています。被災者を励まし、希望をもたらす力となる大学生・高校生の参加を広げていきたいと考えています。  現在は、福島の高校生との交流を活かし、ドキュメンタリー映画『フクシマに向き合う青春』を製作する取り組みを始めています。

その他/備考


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