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原発避難計画に関する調査



グループ名 FoE Japan 研究成果発表会配布資料[pdf]
研究成果発表会配布資料[pdf]
代表者氏名 満田 夏花 さん
URL http://www.foejapan.org/
助成金額 60万円

2016年1月21日に参議院議員会館で開催した「原発避難計画 全国集会 in 東京」では、川内、高浜、伊方、柏崎刈羽、玄海などの各原発についての避難計画の問題を指摘する報告があった

研究の概要

2014年12月の助成申込書から
 原発再稼動の際にもっとも議論なるポイントの一つは、原発事故時の緊急時対応計画、とりわけ住民の避難計画になる。  現在、原発立地県およびから原発から30km圏内の各自治体は、防災計画基本法および原子力規制委員会が策定した原子災害対指針に基づき、原子力災害対策計画を策定し、その中に住民の避難計画を盛り込んでいる。しかし、その実効性を審査するような制度はない。  本調査研究においては、各地の原子力災害対策計画の内容を比較し、また事例をとりあげ、その実効性や問題点について地域住民とともに周辺自治体等への聞き取りを行い検証する。  また、現在、各地の市民団体により、避難計画に関する調査研究が進んでいるため、こうした調査のプロセスや結果を持ち寄り、ケースタディを通じて、原子力災害対策指針や個別原発の避難計画の問題点を明らかにし、発信していくことを通じて、原発に関する社会的な議論に寄与していく。

中間報告

2015年10月の中間報告から
 原発事故時の緊急時対応計画、とりわけ住民の避難計画になります。現在、原発立地県および原発から30km圏内の各自治体は、災害対策基本法および原子力規制委員会が策定した原子力災害対策指針に基づき、地域防災計画(原子力災害対策編)を策定し、その中に住民避難計画を盛り込んでいます。しかし、その実効性を審査するような制度はありません。  本調査研究においては、各地の原子力防災計画の内容を比較し、また事例をとりあげ、その実効性や問題点について地域住民とともに周辺自治体等への聞き取りを行い検証をする予定です。当初計画ではこれから再稼働されていく原発の避難計画の検証を主としましたが、現在進行形の福島原発事故の避難・帰還政策の問題点を明らかにすることも含めました。  福島原発事故における避難問題については、住宅支援の打ち切りや帰還促進政策、原発事故子ども・被災者支援法の基本方針改悪に関して、その問題点を明らかにし、避難当事者の声を結集して、国や福島県に対して働きかけを行い、メディアに発信しました。  九州電力・川内原発の立地・周辺地域の避難計画については、孤立集落問題や安定ヨウ素剤配布に焦点をあて、「川内原発30キロ圏住民ネットワーク」「原発避難計画を考える水俣の会」など地元の団体と協力し、情報発信しました。  また、いちき串木野市で行われたセミナーにおいて、福島原発事故における状況や川内原発の避難計画の問題点について共有しました。  7月には、鹿児島市において、元国会事故調査委員会委員・医学博士の崎山比早子氏を招聘し、放射性ヨウ素と甲状腺がんの関連性、福島原発事故後、なぜ安定ヨウ素剤服用指示がだされなかったかなどについて講演していただくとともに、高浜・大飯原発、玄海原発などにおける避難問題の共有を行いました。

結果・成果

完了報告・研究成果発表会資料より
 FoE Japanは、現在進行中の福島原発事故の被害者の実状、原子力防災指針や各原発の避難計画の問題点について整理、発信するとともに、政府交渉や集会を行いました。  福島原発事故当初、SPEEDIの情報は隠され、また、安定ヨウ素剤の配布・服用指示は途中で止まってしまいました。さらに初期ヨウ素被ばくの実態は把握されませんでしたが、これらは、現在の原子力防災指針や避難計画にはまったく反映されないままです。  原子力規制委員会は、SPEEDIや30km以遠の放射線防護対策を、原子力防災指針から削除しました。安定ヨウ素剤の事前配布も5km圏内のみとし、3歳以下の乳幼児には配布しません。各原発周辺自治体の原子力防災計画は、原子力規制委員会の指針に基づき、住民の被ばくを前提とした辻褄合わせのものとなっています。  一方で、兵庫県篠山市は独自に安定ヨウ素剤の事前配布を決めました。その他、ヨウ素剤の備蓄を独自に行う自治体も現れています。また、全国自治会からの要請により、SPEEDIの活用や30km圏内におけるヨウ素剤の事前配布については、自治体の判断で行えることとなりました。  今後、福島原発事故の被害者の権利を勝ち取るための訴訟や、立法運動に結びつけ、現在の原発再稼働に関連した避難計画が、住民の被ばくを前提にしていること、福島原発事故の実態と乖離しているかの検証を続けていく予定です。

その他/備考


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