福島の子どもたちを守る会・北海道 |
研究成果発表会配布資料[pdf] 研究成果発表会配布資料[pdf] |
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矢内 幸子 さん | ||
http://fukushimakids.org/ | ||
50万円 |
「さっぽろ市民放射能測定所 はかーる・さっぽろ」は北海道新聞エコ大賞を受賞
活動報告会の様子
苫小牧土壌プロジェクト。「2011年4月から2012年5月まで、福島や東北各県のものを含んだ廃プラスチック1万7000トンを燃やしていた。廃プラスチックは燃料なので、放射能濃度の規制はおこなわれていない」(北海道新聞 2012年6月15日 ニュース虫眼鏡)
2011年12月の助成申込書から
2011年3月11日の、東日本大震災とそれに続く、東京電力福島第一原子力発電所の巨大過酷事故は、いまだ収束のめどがたたず、放射性物質は環境に放出されている現状です。北海道から九州、そして太平洋まで、放射性物質が検出されています。しかし福島県にはいまだに30万人の子どもたちが居住しており、内部被曝、外部被曝が危惧されています。
そして福島産の米のみならず、様々な食品からセシウムが検出され、食の安全が脅かされています。福島市渡利地区のように、避難勧奨地域並みの空間線量が高い地域もあり、大気、土壌、食品などあらゆる分野での放射性物質の現状を把握して対処していかねばならない状況です。しかし、行政における放射性物質の測定は、迅速ではない上に、市民の希望する測定がなされていない現状です。当会はそのような状況を踏まえ、さらに、多くの市民の方の不安の声を受け止め、市民自らが、測定器を購入し、北海道において流通している食品の測定、分析を行い、市民への情報提供に資する活動に取り組みます。福島において、既に測定の実績を積んできた上野氏を講師に、市民が自ら測定する技術を習得し、その結果をどう評価するか、専門家の助言をうけつつ、放射性物質が生活の中に入り込んできてしまった未曾有の時代にあって少しでも未来の子どもたちのリスクを軽減するために尽力する所存です。
2012年10月の中間報告から
福島の子どもたちを守る会・北海道は、福島の子どもたちの短期保養の受け入れを行っていますが、その活動の測定部門として、市民からのカンパをつのり、NaIシンチレーションスペクトルメータATOMTEX 1320A を購入し、2012年5月22日に「市民放射能測定所はかーるさっぽろ」を開所しました。市民の依頼による食品の放射能濃度の測定を主な業務とし、活動目的に沿った自主測定も行い、データを公開しています。
「はか〜るさっぽろ」のミッションは以下の通りです。
● 北海道の汚染の実態を明らかにするために可能な限り、測定しデータを蓄積する。
● 脱原発に向け、市民の科学的考察に資するための学習会、ニュースレターの発行、ブログでの情報発信を行う。
これまでの活動としては、市民からの測定依頼の他、土壌の定点観測を行っています。6月に行った調査の際、場所の選定にあたって、札幌とその周辺の畑地の土壌(依頼測定3検体)では、検出限界以下(1リットルマリネリ容器、3時間測定)であったこと、北海道産農産物もすべて検出限界以下であったことから、震災がれきの受け入れ問題で注目されていた苫小牧を定点観測地とすることに決定しました。福島由来の廃プラを燃やして発電していることが判明していたサニックスエナジーと王子製紙の発電施設を中心に、半径1kmずつポイントをとり、土壌を採取、12地点の測定をしました。その後、がれきの受け入れ案は消滅しましたが、今後、同地点での測定を継続してゆく予定です。
また、北海道大学の原子力人材育成推進事業を受講しました。測定の技術を実践的に学ぶため他の測定所を見学し、測定のための基礎理論を学ぶことにもつとめています。
完了報告・研究成果発表会資料より
2012年5月の開所以来、北海道の汚染の状況を明らかにする指標として、2013年5月までで、食品(農産物、山菜、海産物)、土壌・肥料合わせて253検体を測定しました。
1.食品
降下物による汚染度が高いといわれていた山菜類から測定を始めました。2012年〜2013年5月末まで測った山菜はいずれもND(検出限界値以下)でした。農作物については、北海道有機農業協同組合等の依頼で北海道各地の有機農産物39検体を測定しました。サツマイモを含むすべての検体がNDでした。今のところ、北海道の山菜、農産物には(AT1320Aの測定能力の範疇で)顕著な汚染はみられません。しかし、東北産の炭化醗酵鶏糞が農地の融雪剤として大量に散布されることもあり、汚染された農業資材の影響が懸念されます。
2.魚介類
北海道産の旬の魚を測定する「おさかなプロジェクト」を実施、15 検体のうち釧路、根室沖の2 検体からセシウムを検出しました。
北海道庁が公表している魚の検査結果「北海道放射線モニタリング総合サイト」ではマダラの汚染が深刻です。2013年1月から5月までマダラのセシウムの合算値の最大値の推移を見たところでは、汚染が終息する傾向はみられません。
北海道の太平洋側においてはストロンチウムの問題も含め、深刻な汚染の進行が懸念されます。
3.土壌
土壌については、福島県産を含む廃プラスチックを利用した苫小牧市廃プラスチック発電工場周辺の12地点から採取・測定を行い、1地点から通常より高いセシウム137 が検出されました。ゲルマニウム半導体検出器でクロスチェックしたところ、福島由来と考えられるセシウム137(80.68± 8.46Bq/kg)、セシウム134(37.65±6.26 Bq/kg)が検出されました。原因の調査を進めるため、研究者の助言を仰ぎながら検証手法を探ってゆきたいと考えています。
さっぽろ市民放射能測定所『はかーる・さっぽろ』http://yaplog.jp/sapporosokutei/