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神奈川県における乳幼児への放射能汚染の実態調査



グループ名 神奈川母乳調査ネットワーク []
代表者氏名 入澤 牧子 さん
URL http://ameblo.jp/kanagawabonyu/
助成金額 30万円

研究の概要

2011年12月の助成申込書から
 わたしたち「神奈川母乳調査ネットワーク」は、神奈川県における乳幼児への放射能汚染実態の調査とその継続をすることにより、今後の健康への影響、地域としての特異性等を把握していくために、2011年4月に立ち上げた「母乳調査・母子支援ネットワーク」と共に、神奈川県内在住の母子の母乳・尿の検査を実施することとしました。  3月11日以降、すでに10ヶ月にならんとしている今、やっと福島県内での公的な母乳調査が行われていますが、検査技術の向上により検出下限が、0.1Bq/kg、それ以下も検査可能となり、関東近辺での影響調査のデータの集積の意味合いが、より重要度を増していると考えます。  放射能汚染の内部被曝は、ICRPやECRRの国際機関によっても判断基準が異なり、未だ、実態の調査とその継続による多種のデータの集積、今後への有効な研究に導く道筋が明らかにされていません。  将来に向けた研究成果を得るためにも、基礎的なデータが必要であり、市民による母乳・尿の放射能汚染について調査し、データの集積が必要と考え、この事業を進めていくこととします。これは以下のような目的を持ちます。  1.母乳の放射能汚染のデータを市民レベルで調査・集積する。  2.母乳による乳児の内部被曝の実態を把握する。  3.放射性物質の移行経路を推定することで内部被曝を避ける。  4.将来子どもや成人に起こりうる健康障害の原因解明と治療に役立てる。

中間報告

2012年10月の中間報告から
 わたしたち「神奈川母乳調査ネットワーク」は、神奈川県における乳幼児への放射能汚染実態の調査とその継続をすることにより、今後の健康への影響、地域としての特異性等を把握していくために、2011年4月に立ち上げた「母乳調査・母子支援ネットワーク」と共に、神奈川県内在住の母子の母乳・尿の検査を実施することとしました。  当初、母乳放射能の全国調査への申し込みがかなり多いという状況から、福島県外での申し込みの内、神奈川県を中心とした希望者を当グループで検査するかたちで、連携を取りながら調査を進めようと呼びかけましたが、全国調査では、検査費用が全額補助されるのに対し、神奈川では一部補助のかたちで呼びかけたところ、その違いからうまく希望者が集 まりませんでした。  逆に、個人的に調査費用を支払える方は、検査会社やその方法、検査費用等の情報を元に、それぞれで検査され、検査結果の公表への協力をしていただくことができませんでした。  その後、検査費用について、こちらの状況を理解し、協力いただける検査機関との新たなつながりが見つかり、現在、改めての呼びかけの準備にかかっています。  11月初旬から年内に向け、母乳および尿の放射能検査を実施するスケジュールで動いています。

結果・成果

完了報告・研究成果発表会資料より
 神奈川県にて、母乳および尿の検査を行いました。2012年度前半に検査機関に依頼した7 検体からは、セシウム134が2検体(0.15Bq/kg および0.31Bq/kg)、セシウム137は5検体(0.099 〜0.52Bq/kg)から検出されました。2012 年度後半の検査では、検出下限値が前半の検査機関よりも高くなってしまったことなどもありますが(検出下限値 前半:0.005Bq/kg、後半:0.5Bq/kg)、いずれも検出限界以下という結果でした。これらだけでは、検体数が少なく、どのように判断するか言える結果ではありません。また、3.11以前のデータもなく、安心できると言えるものでもありません。しかし、3.11以降、放射能が消えたわけでもなく、いまだに空気中に漂い出ている現状であるにも関わらず、神奈川県内の様子は、3.11以前の日常に戻っている様に見えます。  実際、母乳や尿の検査を呼びかけても、初期の頃は、「気になるけど検出されたらどうしよう」という声を聞きましたが、今年に入ってからは、「この辺りは大丈夫」との情報をどこからか得て、「検査をしようかな」という声を聞かなくなりました。検査希望者を探しても、受けたいという人が、時間が経つにつれ見つけにくくなっていくことを実感しました。  今回の神奈川での検査結果は、「母乳調査・母子支援ネットワーク」に報告し、今後の健康の変化への検証データとして役に立つものとなることを期待しております。

その他/備考


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