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福島原発震災による放射能汚染被害者援護策の策定に向けた課題に関する調査研究



グループ名 福島原発震災情報連絡センター 研究成果発表会配布資料[pdf]
研究成果発表会配布資料[pdf]
代表者氏名 中山 均 さん
URL
助成金額 30万円

訪問先のウクライナ緊急事態省にて

訪問団が持ち帰った『ウクライナ汚染地図』(ウクライナ語、緊急事態省作成)は、現在翻訳作業を進めている

研究の概要

2011年12月の助成申込書から
【背景と目的】  福島原発事故は未だ収束の目途が立っておらず、原子炉からは大量の放射性物質が大気中や海洋へ放出されています。構内では被曝労働も深刻化し、子どもたちや県民は汚染地域に留め置かれ、長期にわたる低線量被曝を強いられています。政府が棄民化政策を続ける中で、被曝を受けた、あるいはその可能性のあるすべての人々の命と健康を守ることは今、極めて重要であり、事故後やがて1年を迎えようとする中で、その具体的な施策の実現は緊急の必要性があります。 【研究手法】 (1)チェルノブイリ事故被害地域における被害の実態、旧ソ連下で展開された被害対策の実情とその成果・課題・問題点等に関する調査を行ない、 (2)福島原発事故による放射能汚染実態調査をおこない、 (3)また、1945年の広島・長崎原爆の被爆者を対象にした被曝者援護法とその成果や課題について、日弁連担当者と協議しながら整理し、 (4)これらの実態調査の成果を、福島原発震災被曝者を対象にした「福島原発震災被曝者援護法(仮)」をはじめ、被曝した可能性のあるすべての人たちの生存権を守るための制度設計や法案整備に役立てる。 (5)本研究の遂行に当たっては、自治体議員政策情報連絡センター(代表:上原公子・前国立市長)、日弁連(担当:秋元理匡・日弁連原子力問題プロジェクトチーム事務局長)、木村真三(独協医大准教授)氏等の協力を得る。

中間報告

2012年10月の中間報告から
 私たちは、福島原発震災の深刻な影響が続く中、「政府が棄民化政策を続ける中で、被曝を受けた、あるいはその可能性のあるすべての人々の命と健康を守る」ための「具体的な施策の実現は緊急の必要性がある」と考え、昨年から「福島原発震災被曝者援護法(仮)」の制定を提言し、日弁連と連携しながら活動を続けてきました。同様の問題意識を持つ国会内外の政治家や市民グループの力により、本年6 月、いわゆる「福島原発事故子ども・被災者生活支援法」が成立しました。私たちもこれまでの活動成果を踏まえ、この法律の制定と今後の具体化に向けて他のグループと連携して提言や検討を続けています。  チェルノブイリ事故の影響と被害者への支援法体系の調査は福島原発事故の被害者への支援策の検討のために欠かせません。 そこで私たちは、(1)「チェルノブイリ事故後、現地調査を重ねてきた京都大学の今中哲二氏らを招いた学習会」、(2)「ウクライナへの視察・調査および持ち帰った資料の翻訳と分析」などを進めています。また、(3)「各地の保養プロジェクトや非汚染食品提供活動などの情報収集とその行政施策的観点からの課題整理」等を進めています。  また、前記「支援法」制定の過程にあたっては、当センター独自の見解と要請書を与野党関係者に提出するとともに、センターのメンバーが所属する各地方議会での意見書の提出活動も行なってきました。さらに、これらの活動を各地で報告・提言し、被災者支援策の充実のための議論の活発化・深化を試みています。

結果・成果

完了報告・研究成果発表会資料より
 「福島原発震災情報連絡センター」は自治体議員約140名で構成され、福島原発事故の被災者・被曝者への包括的な支援策の拡充と強化に向けた働きかけや検討を重ねています。本研究はその一環として、下記のような内容で調査研究を行なったものです。2012年6月に成立したにもかかわらず事実上放置されている「原発事故子ども・被災者支援法」の具体化や支援策の課題に向けた議論にこの成果を活かして行きたいと思います。 1.ウクライナ訪問(2012年5月)  チェルノブイリ原発周辺の汚染や健康被害についてはこれまでも報告されていますが、行政的観点からアプローチされたものは多くはありません。私たちは2012年5月に訪問団を現地に派遣し、調査を行いました。事故後にソ連邦が崩壊し、ウクライナ政府下においても財源問題から社会保障施策の縮小や汚染地域指定見直しなどが進んでおり、国家施策と自治体・住民のニーズとの間に乖離や矛盾が生じている現状などを把握することができました。 2.ウクライナ汚染地図の翻訳 ウクライナ訪問団が持ち帰った『ウクライナ汚染地図』(緊急事態省作成)は、各放射性核種による汚染度や将来予想図、事故による国民の放射線被曝線量や被災地の経済統計なども収録されています。この翻訳作業を開始し、第一次訳が終了しています。今後完全版を公表予定です。 3.自治体の被災者支援策についての分析・評価 私たちは官・民の被災者支援にも具体的に関わりながらその課題の評価・分析も続けています。特に、避難者の支援策という点では出身自治体・受入自治体の裁量によるところも大きく、大きな差が出ている実態もあります。今後も包括的な評価・分析と根本的な改善・拡充が必要だと考えます。これらの報告の詳細については以下を参照下さい。

その他/備考


1 「チェルノブイリ原発事故26年 福島原発被曝者援護法制定に向けた調査訪問団 ウクライナ調査報告」佐藤和良 (http://www.jca.apc.org/nnpp/nakayama/satoukazuyoshi_ukraine_reprt.pdf ) 2 本研究の報告書詳細版 (http://www.jca.apc.org/nnpp/nakayama/FNDCC_takagikikin_report.pdf

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