彩の国資源循環工場と環境を考えるひろば |
研究成果発表会配布資料[pdf] 研究成果発表会配布資料[pdf] |
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加藤 晶子 さん | ||
20万円 |
2012年4月「彩の国資源循環工場と埼玉県環境整備センターのある三ヶ山周辺の環境情報交換会」学習会
VOC研究会 津谷先生から測定器の操作方法を習う
VOC測定器の設置状況(五ノ坪集会所)
2010年12月の助成申込書から
埼玉県寄居町三ヶ山には、約90haもの規模の、約20年前から稼働している「埼玉県環境整備センター」という県立の廃棄物埋立施設があり、2007年からは、同じ敷地内に「彩の国資源循環工場」という埼玉県が主体的に関わる大型複合産業廃棄物中間処理施設があります。
「彩の国資源循環工場第2期事業」は、これらの隣接地に、平成24年埋立て竣工、操業開始として進められている、廃棄物埋立てと、第1期同様の工場群を予定しています。
しかし「環境整備センター」では、現在埋め立て稼働中の3号地のほかに複数の埋立て予定地が残っており、容量としてまだあと約50%埋立て地の余力があり、現段階では早急に新たな埋立て処分場を建設する必要はないと判断できます。
わたしたちは「彩の国資源循環工場第2期事業」計画は凍結し、今後の廃棄物発生量の見通しなどを十分に検討しながら、事業自体を見直すことを求めています。
行政が関わっていることから地元からも信頼されている一方、周辺住宅地での悪臭の観測、1年前にはクローズドシステムだから絶対出ないとされていた排水から、鉛・ホウ素・ダイオキシン類が排出されていたことが明るみになりました。
そこで、2008年は今まで重視していなかった水質調査を、高木基金の助成を受け、行うことにしました。井戸水・湧水測定を開始しました。
現地周辺の地質の基本的な調査(過去・現在の文献、白地図による地下水系図作成)を行い、主に水質について環境影響を受けているもしくは将来受けるであろう河川を詰めていき、その河川の中でさらに影響が懸念される箇所で定期的にパックテストによる水質測定を行い、また、湧水探索会で異常と思われた箇所について、公定法で重金属類数種の調査を行いました。
この地下水系図をもとに三ヶ山(ターゲット)内外の地下水の水質を測定し、測定河川と測定項目の見直しをしました。
2011年11月の中間報告書から
当会では、2008年から3年かけて高木基金助成を受けて専門家の先生方の力をお借りして、水質調査に取り組み、この施設のある三ヶ山周辺の地質を調べ地下水系図を作り、どの河川、湧水で水質を測るべきか調べ、さらに有効な項目を絞り込み、異なる場所の水の性質を比較するためのオクタダイアグラムを作成して、地下水系図に落とし込むことで、この三ヶ山を水源とする塩沢水系がすでに汚染されていることがわかりました。
今回は、それを人々に有効に伝える方法として、来年3月に学習会を計画しています。水質だけでなく、今まで当会も関わってきた松葉による大気汚染調査(ダイオキシン類・重金属類)からみえてきた、周辺大気の汚染(特に重金属類)など、大型で複合の産業廃棄物中間処理施設群である彩の国資源循環工場と、埼玉県内の廃棄物埋立て最終処分場の埼玉県環境整備センターのある三ヶ山周辺の環境汚染の現状を報告します。
また、昨年2010年9月に埼玉県の定期的な水質測定で、埋立シート外側の管(地下水集水管)から、荒川支流の塩沢川へヒ素汚染があり、今年2011年9月にもやはり同じ地下集水管〜塩沢川〜荒川へ水質汚染がありました。今年は重金属類はなく、塩化物イオンのみとのことだった。2年連続、しかも台風という大量の降雨後の出来事でした。
今年は、当会の毎月の水質測定時に地下集水管パイプから電気伝導度がここ数年で最高値が出たので、環境整備センターへ通報し、追跡調査を依頼して上記の結果となりました。
このように突発的な異常値が出た際(当会・県)には、公定法にて水質測定をして、市民の側からもものが言えるようにしたいと考えています。
完了報告より
彩の国資源循環工場のある埼玉県寄居町三ヶ山周辺では、以前から、住民から異臭が訴えられていました。また、敷地内を見学した時などに気分が悪くなる、その後の体調不良といった話を聞くにつけ、多種多様の廃棄物を扱っている各社からの有害化学物質によるものではないかと思っていました。
資源循環工場の中には、杉並病発生施設と同様の仕組みで同様物質を扱うRPF(ごみ固形化燃料)製造施設が2つあり、また3つの焼却施設にも前処理として同様の工程があります。一般的にゴミの多くの割合をプラスチック製品が占めていることから、専門家の力をお借りしてVOC(揮発性有機化合物)を測定しました。
三ヶ山周辺5ヶ所を、年2回夏と冬で比較するため、同じ場所で同じ時間、大気を採取して測定し、その分析を行いました。
また、2008年から3年かけて専門の方に外部協力者になっていただき、周辺地下水、河川、湧水の水質調査に取り組み、調査結果からオクタダイアグラムを作成することで、三ヶ山を水源とする塩沢川水系が、周囲の地下水、河川、湧水に比べて汚染されていることがわかりました。その結果をリーフレットにまとめて告知に努めました。今年4月には、その外部協力者を招聘し、学習会を開催して、この彩の国資源循環工場と環境整備センターのある三ヶ山の環境の現状について、地元や周辺のみなさんに知っていただく機会をつくりました。
今後、これらの調査や学習会の成果をまとめ、行政への要望書などのアタションにつなげていきたいと考えています。