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原子力発電所周辺における海岸生物相の研究



グループ名 海岸生物環境研究会 研究成果発表会配布資料[pdf]
研究成果発表会配布資料[pdf]
代表者氏名 山下 博由 さん
URL
助成金額 30万円

玄海原発周辺調査地点(佐賀県東松浦郡玄海町普恩寺池崎)

定性調査 藻場の状態:写真により記録 可能な範囲で同定

定性調査 底生生物の採集 貝類を中心に詳細に調査

定量調査 25cm x 25 cm コドラートによる写真撮影調査

定量調査 25cm x 25 cm コドラートによる写真撮影調査

研究の概要

2010年12月の助成申込書から
 日本では現在、50基以上の原子炉が稼働中であり、その安全性や環境に対する影響には様々な議論がある。  原子力発電所(原発)の海洋環境に対する影響としては、温排水、放射能、塩素処理水が主要なものであると考えられるが、それらが全体的あるいは複合的に海洋生態系にどのような影響を及ぼしているのかは、よく分かっていない。  特に、原発周辺における海岸生物相の研究やデータは、日本では乏しく、原発が海岸生物に及ぼしている影響は、よく把握されていない。すなわち「原発周辺の海で、何が起きているのか?」は、殆ど認識されていない状態にある。そこで、本研究では、原発周辺の海岸生物相の現状を把握するための調査・研究を行う。  調査は予備調査及び本調査に分け、以下の地域で行う。  予備調査:定性調査と本調査実施場所の選定。地域1、茨城〜宮城(東海、福島、女川原発周辺)。地域2、静岡、若狭湾(浜岡、美浜、大飯、高浜原発周辺)。  本調査:定性調査と定量調査。地域1、愛媛(伊方原発周辺)。地域2、佐賀(玄海原発周辺)。  定性調査では、採集と写真撮影によって、海岸生物相の全体像を把握し、生物多様性などの評価を行う。定量調査は、原発敷地から1km以内、3km、5kmの地点において、50cm x 50cmコドラートで各地点9サンプルを採集する。  これらの調査によって、1)原発周辺における海岸生態系の現状把握、2)原発周辺における海岸生物相調査方法の確立、3)環境指標種の選定、4)市民調査の有効性の検証、5)原発周辺の海岸生物データベースの作成、を行う。

中間報告

2011年10月の中間報告書から
 原子力発電所周辺における海岸生物相の研究やデータは、日本では乏しく、原発が海岸生物に及ぼしている影響は、よく把握されていません。そこで、本研究では、原発周辺の海岸生物相の現状を把握するための調査・研究を行うこととしました。  2011年度上半期には、佐賀県玄海原子力発電所周辺の調査を行いました。玄海原発排水口から約1km地点の東松浦郡玄海町普恩寺池崎の東部において定性・定量調査を、同排水口から約5km地点の唐津市肥前町納所福浦において定性調査を行いました。  両地点とも、海藻・貝類・甲殻類等の生息量は豊富で、貝類については生息種数も普通のレベルであると考えられました。原発の立地条件・排水方法にもよりますが、潮流の動きの大きい場所では、排水口から1kmの距離でも、排水による海岸生物相への影響は軽微もしくは把握不能である例があると予測されました。玄海原発では、排水口至近へのアクセスがやや困難ですが、1km以内のさらに至近での調査が必要と考えられます。

結果・成果

完了報告より
 原子力発電所周辺における海岸生物相の研究やデータは、日本では乏しく、原発が海岸生物に及ぼしている影響は、よく把握されていません。そこで、本研究では、原発周辺の海岸生物相の現状を把握するための調査・研究を行うこととしました。 2011〜12年に、佐賀県玄海原子力発電所周辺、愛媛県伊方原子力発電所周辺の調査を行いました。玄海原発では排水口から約900m地点の東松浦郡玄海町普恩寺池崎の東部において定性・定量調査を、同排水口から約5km地点の唐津市肥前町納所福浦において定性調査を行いました。伊方原発では排水口から約800m地点の西宇和郡伊方町亀浦において定性・定量調査を行いました。  定性調査では、採集と写真撮影によって、貝類を中心に海岸生物相の把握を行いました。定量調査では、高潮帯〜低潮帯において25cm×25cmコドラートを用い、生物量の多い地点を選んで生物種の記録と写真撮影を行いました。採集した生物については、標本とデータベースを作成しました。  本助成研究は、2011年度では完了しなかったので、期間を1年間延長して実施します。これまでの調査結果の詳細については、調査・研究完了後に報告します。

その他/備考


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